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相関関係と因果関係

ちょっと前にビッグデータという語が流行語になりましたが,文系・理系を問わず統計の重要性はかつてなく高まっていると思います。

地理でも多種多様な統計を扱いますので,統計を扱ううえでのリテラシーは大切です。これに関する余談をひとつ。

大昔の東大入試の英語で出された長文に,「相関関係を恣意的に因果関係に結びつけてはならない」というものがありました。

統計調査で仮に喫煙者は非喫煙者よりも大学での成績が低いと分かったとしても,これは単なる相関関係にすぎない。この統計から「煙草を吸うから成績が下がるのだ」というように勝手に因果関係を導き出してはならない。逆に「成績が低いから煙草を吸う」と言えるかもしれないし,別に第三の要素があってこの要素が低成績や喫煙の理由になっているかもしれないじゃないか,というものです。

これは大事なリテラシーですね。統計上相関性があるからといって,安易に因果関係に結びつけてはいけません。

ところが,残念ながらこのリテラシーは必ずしも広く共有されているわけではありません。相関関係を都合よく自説を主張するための因果関係につなげてしまっているという例は無数に見られます。

一例として農林水産省の例を。別に農林水産省に含むところがあるわけではありませんが。

http://www.maff.go.jp/j/seisan/kakou/mezamasi/about/databox.html

こちらのページは農林水産省の「朝食をとろう」といったキャンペーンの中にあるものです。

あれこれデータが示されていますが,中には我田引水・牽強付会の典型例のような部分が見られます。

(以下,とりあえず統計自体は正しいものと仮定して話を進めます。)


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04. 朝ごはんはやる気の源。

「勉強や仕事の成績を左右する「やる気」。
なんだかやる気がおこらない,そんな時,朝ごはんを食べることから始めてみませんか。」
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統計では朝食を食べる人ほどやる気がある,食べない人はやる気が起こらない傾向にあると示されています。サイトではここから「朝食を食べればやる気が出る」ということを匂わせる言説を展開しています。

しかし,本当にそうでしょうか。
確かに「朝栄養をとることがやる気につながる」という可能性も十分ありそうではあります。

ただ,どちらかといえば,「やる気がないから朝食もとらない,そういう習慣が身につかない」と言ったほうがより妥当ではないかという気もします。

少なくとも,「やる気のなさ」と「朝食をとらない習慣」の片方がもう一方の要因であると決めつけるのは無理があるでしょう。

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05. 朝ごはんを食べると太る?

「太りたくないから朝ごはんは食べたくない」なんて思っている方,実は朝ごはんを毎日食べると答えた人のほうが肥満傾向率が低いのです。ダイエットを気にする方は,適度な量の朝ごはんが効果的。」
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サイトでは「朝ごはんを毎日食べると答えた人のほうが肥満傾向率が低い」という相関関係から,「朝ごはんを食べると肥満傾向にならずにすむ,朝ごはんを食べないと肥満傾向になる」という因果関係を想定して,「朝ごはんを食べたほうがダイエットになる」という説を展開しています。しかし,果たしてそうでしょうか。

むしろ逆で,「肥満傾向にあってダイエットしたいと思っているから朝食を食べない」のでは?

あるいは,第三の要因があって,それが肥満傾向や朝食を食べない傾向につながっているのでは?たとえば「だらしない生活習慣があるせいで,朝食もとらないし,食生活の割にカロリー消費が少なくて肥満傾向になってしまう」ということも十分ありそうです。

いずれにしても,「朝ごはんを毎日食べると答えた人のほうが肥満傾向率が低い」という統計結果から「ダイエットしたければ朝食を取れ」という主張につなげるのはおおいに無理がありそうです。


農林水産省が国民の健康を考えて(農産物の消費拡大を目指して?)朝食を取るよう説く,ということ自体には別に反対するわけではありません。ただ,その主張の根拠として,ただの相関関係からうさんくさい因果関係を導かれてしまうと,主張自体もうさんくさく見えてしまう……というのは言いすぎでしょうか。


今回挙げたのはあくまで一例ですが,いずれにしても,「ただの相関関係なのに勝手に因果関係にしてしまっている」という例は無数に見られます。こういう非論理的な言説に惑わされないだけのリテラシーをもちたい,こういう非論理的な言説で人を惑わさないだけのモラルをもちたいところです。
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ジョージア

本日(2015.04.22)付でカフカスのグルジアがジョージアになりました。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_002048.html

教材改訂しなきゃ……

しかし,ジョージアと言われるとどうしてもアメリカ合衆国をイメージしてしまいます。慣れるまで一苦労しそうです。


2015.07.24追記

某参考書の入試問題の解説を見ていたら次のような記述がありました。

====================
ジョージア〔グルジア〕内の南オセチアをめぐるジョージア〔グルジア〕とロシアの対立。ジョージア〔グルジア〕内のアブハジア自治共和国の独立をめぐってアブハジア(ロシア支援)とジョージア〔グルジア〕の対立なども可。
====================

いや,まあそうなんだけど………

2015東大地理

第1問の天竜川沿いの地形図は2011年度北海道大学前期日程で出題されている図と重複しており,この問題は鉄緑会地理受験科でも地形図講座という教材で改題して使用していましたのでかぶりました。

第2問の日本のたまねぎ・まつたけ・かぼちゃの輸入については鉄緑会東大直前演習会過去問と重複しました。

第3問,日本の大都市圏,郊外化,都心回帰,通勤といった話はいくらでも類題があります。

きちんとした分析はこれからですが,総じて順当・妥当・適切な出題だと思います。学習が報われるいいセットですね。

御嶽山

先日噴火して大きな被害を出した御嶽山,これは2013年度の東大地理第1問で出題されたことがあります。

こちらの入試問題は,火山噴火ではなく1984年の長野県西部地震によって発生した大規模な土砂崩れ(御嶽崩れ)を題材にしたものでした。地形図の読図の標準的な設問ですので,地理を学んでいる高校生は目を通してみるとよいのではないかと思います。

ブラジルの気温

山手線のモニタで天気に関する豆知識が流れています。けっこう勉強になったりしておもしろい記事です。ただ,先日ちょっと気になるのがありました(写真)。

「ワールドカップが開催されるブラジルって暑いの?」という質問に対して,「6月の平均気温はブラジルの首都ブラジリアでは19度で,東京では22度。東京のほうが少し暑い」と答えられています。

ブラジルの気温


……いや,確かにそうなんですが,なんとなく釈然としないものが……

・確かに,「ワールドカップ開催期の気温を比べる」「首都同士の気温を比べる」というのは妥当だと言えるかもしれません。

・ただ,6月は北半球の日本はどちらかといえば夏で,ブラジリアを含む南半球はどちらかといえば冬なんですよね……。違う季節の気温を比べるのはどうなんだろう。

・それから,ブラジリアは標高1,000m以上の高原に位置しているので,低緯度の割には過ごしやすい気候です。緯度だけ見ればブラジリアは南緯15度くらいなので,沖縄よりもずっと低緯度です。

・ブラジルでは首都のブラジリアよりもサンパウロやリオデジャネイロのほうが圧倒的に大都市ですが,そちらは高原ではないので,ブラジリアよりも緯度は高いものの気温は高くなっています。

・国土全体で見た場合・年平均気温で見た場合はブラジルのほうが高温です。


ということで,モニタに示された情報はまったく間違っていないものの,なんとなく釈然としないものが残りました。ワールドカップの試合会場が全部ブラジリアだったら納得なんですけどね。

コジウスコ山

オーストラリア大陸最高峰のコジウスコ山は標高2,000mちょっとしかなく,大陸ごとの最高峰の中では圧倒的に低い山です。

オーストラリアは世界で最も平均標高が低い大陸。また,最も乾燥した大陸(乾燥気候の面積比が大きな大陸)。

で,それはそれとして,これまで自分はこの山の名前について,ずっと「オーストラリアなのに英語らしくない響きだから,先住民のアボリジニの言葉なのだろうな」くらいにぼんやり考えていました。

が,正しくはポーランド語なんですね。コシューシコ(コシチュシュコ)に由来するとは……。

なんでも勝手に類推しないでちゃんと調べないといけませんね……反省。

3D地図

国土地理院より,日本地図を3次元で閲覧できる環境が提供されました。

http://cyberjapandata.gsi.go.jp/3d/index.html

これ,よくできています。

活用法は無数にあると思います。

大学入試センター試験で「鳥瞰図を示してどちらの方角から見た図か選ばせる」といった問題が出題されますが,そうした図が簡単に作成できます。

等高線の読み方に習熟するためにもいろいろ活用できますね。

これをあちこち眺めていると時間が無限にたってしまいそう……。

ともあれ,本当にいい時代になったなと思います。このあたりはデジタル化さまさまです。

2014センター地理B

センター試験お疲れさまでした。

地理B,ざっと解いてみました。詳細な分析はこれからですが,現時点での印象は次のような感じです。

・第1問・第2問は普通の出題で,過去問学習で十分対応できる。

・第1問,問6は2と4の判別が迷う。正解とは関係のない選択肢なので判別できなくても問題ないのだけど。

・第3問も都市関係のよくある出題。ただ,問4・問5は目新しいパターンで,その場でよく考えなければいけない。問4はまずスを確定させて,サとシの2択まで持ち込み,あとは図から根拠が見つかるまでじっくり考える。問5は判断の根拠自体は難しくないが,PとRは7都県,RとSは9県で,よく数を揃えて問題を作ったものだという印象。

・第4問はちょっと意外な西アジア。センター地理直前講習で「西アジアは穴になりやすいがどこでも出題されうるので確認しておこう」と西アジアの問題を扱っていたので,あれが役に立ったと思いたい。問われている内容自体は「国・首都の分布」「イランはシーア派」といった基本的な事項が中心なので,「まずい,あんまりやっていない地域だ」などと焦らなければ大丈夫なはず。

・第5問は普通の無難な出題。面白みはない。センターピボットの写真はほぼ毎年どこかの入試で見かける気がする。

・第6問の地域調査は例年に比べて資料の分析でひねりがなく平易。

ということで,全体としては昨年度よりも易しくなっており,平均点は上がるものと思われます。とはいえ,「過去問研究が大切な問題」「その場での思考力を要する問題」が多く,的確に差がつく出題で,例年同様よくできた問題だと思います。満点が難しいのも例年同様ですが,去年よりは90点以上の人も多そうです。

北海道

機会があって,昨日一昨日は4,5年ぶりに札幌に行ってきました。久しぶりに北緯40度線を越えた!

何も考えずに普段のYシャツ1枚という格好で来てみたら,札幌駅周辺では多くの人がコートにマフラー。確かに,日曜は気温が10℃ちょっとまでしか上がらない。冷たい風は冬の気配で,凍えそうになりました。

夕方5時にはもう日が沈む。
桜の開花も東京より1か月以上遅い。
冬の訪れは1か月以上早い。
日本は広い。亜寒帯をなめたらあかん。


札幌ラーメンはバターとコーンが乗った味噌ラーメンだと思っていたのですが,最近は豚骨が増えていて昔ながらの味噌ラーメンのお店は減っているとのこと。


北海道は,九州の倍の面積に,福岡県くらいの人口が暮らしています。
東京都の40倍の面積に,東京都の40%くらいの人口が暮らしています。

こういった統計を考えると,JR北海道の経営が苦しいのもうなずけます。検査の不備や事故の発生はまた別の話かもしれませんが,それはそれとして。


それから,北海道には北広島市や新十津川町があります。開拓の歴史を感じさせる地名です。

あと,自分は「とつがわ」だと思っていたのですが,正しくは「とつかわ」でした。

もっと学ぶために,普段からもう少しあちこち出かけたいところです。

収量

地理で必ず出てくる「緑の革命で収量が増加した」という話。

結果として,現在は米のヘクタールあたりの収量はタイでは2.5tくらい,インドネシアでは4.5tくらいになっています。

で,日本は平年だと5tくらいです。

お盆休みに帰省した際に,米を作っている祖父に「収量はどれくらい?」と聞いてみました。日本平均や海外と比べて,この地方はどれくらいなのか興味があったためです。

祖父:「1反で○俵くらい」

……………。分からん!!

自分は「ヘクタールあたりトン」で答えてほしかったのですが,それはこちらの勝手な都合で,確かにお百姓さんからすると「反あたり俵」が自然です。

反と俵をヘクタールとトンにさっと換算するくらいできないと……反省。
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